今回は、大人の絵本としての呼び声高い、エドワード・ゴーリーの「ギャシュリークラムのちびっ子たち」をご紹介します。
怖いというよりも、ただ続く死の描写に不思議な感情が生まれてきます。
「ギャシュリークラムのちびっ子たち:または 遠出のあとで」
「ギャシュリークラムのちびっ子たち:または 遠出のあとで」は絵本です。
1963年に知る人ぞ知るエドワード・ゴーリーによって書かれたアメリカの大人向けの絵本です。
日本では、2000年に日本語訳版が出版されました。
絵本は本来子供が読むものですよね。
しかし、この「ギャシュリークラムのちびっ子たち」はただひたすらアルファベット順に子供が死んでいく描写が続くだけの絵本です。
しかも、1人ずつ、なんとも悲惨な死を遂げていくというシュールかつ不条理な作品です。
Aはエイミー 階段から落ちた
Bはベイジル くまにやられた・・・
これがZまで続くだけの絵本です。
理由も人物の背景描写もなくただ26並ぶ死因。
ただそれだけなのだけれど、時々読みたくなります。
しかも、その時の感情で読後感もとの都度異なります。
エドワード・ゴーリーって本当に不思議な作家です。
エドワード・ゴーリーとは
エドワード・ゴーリーは、1925年2月22日生まれで、2000年4月15日に逝去しています。
絵本という媒体にも関わらず、道徳感や倫理観などを排除し、無機質なモノクロのイラストで残酷で不条理に満ちた世界観と、日本語だと感じられないのですが、英語原文だと徹底的に韻を踏んだ言語表現で、その高い芸術性が「大人のための絵本」としての存在を世界中で確立させました。
その類を見ない独創性で日本でもクリエイターたちを中心にファンが多いことで知られています。
もう少しマイルドな作品として、「うろんな客」や実際の殺人事件に着想を得た執拗なまでに殺人者の一生に執着した「おぞましい二人」という絵本も高い評価を得ています。
まとめ
ここまでいかかでしたでしょうか。
恐ろしくも不思議な感情にさせてくれるエドワード・ゴーリーの「ギャシュリークラムのちびっ子たち:または 遠出のあとで」を読んでみたくなったでしょうか。
他の作品も同じく不思議な感情を呼び起こしてくれます。
すべて集めてインテリアとしても見栄えがいいので、そういう意味でコレクションするのもいいかもしれません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。